10数年前、美容室に居たときのことです。
たまたま耳に入ったラジオ番組を流れにまかせて聞いていると、質問コーナーの時間がやってきました。
質問者は女性。男女問題で悩んでいるようです。
女性は、「なかなか相手と別れられないのですが、どうしたら良いでしょう?」と、真剣な声で質問してきます。
すると、回答者であるカウンセラーは、その女性に対して、興味深いアドヴァイスをしました。
「 ‘ 黒 ’ を身に付けてください。 黒 の服、そして、下着も 黒 。そうすれば、スムーズに別れることができますよ。」とアドヴァイスしたのです。
時は流れ...
インド哲学者の講話を聴く機会に恵まれました。インド哲学者は、講話の中で、「黒を身に付けてはいけません。」と、あのラジオ番組のカウンセラーとは正反対のことを述べ始めたのです。
さらに続けて、「周囲から 黒 をなくすことが大事です。インド哲学 ‘ ※ ヴェーダ ’ の文献によれば、黒 は破壊を司る色なのです。」と述べられたのです。
‘ ヴェーダ ’ の観点からみると、ラジオ番組のカウンセラーのアドヴァイスは、男女関係を破壊に向かわせる、という意味で、的を射ていたことになります。
『 ヒマラヤハウス® 』では、黒 は “ 喪失 ” を司る色と捉えるのがしっくりくる、と考えています。
普通、人は 黒 に呑まれて、ものを “ 喪失 ” してしまうのが通常だからです。
ただし、余程 ※ 生命エネルギーが強い場合は別です。
もっとも、生命エネルギーが強いことは、必ずしも良いこととは限りません。かえって仇になるケースもあります。
たとえば、負の感情、怒り、憎悪などの生命エネルギーがストレートに反映すると、強力な破壊につながることにもなりかねないのです。
黒 は正装着の色、裁判官の法服の色に使われていることから分かるように、一般的には、格式高い色として捉えられています。
しかし...
人間の活動は、創造・維持・破壊によって構成されている、と考えられます。
創造活動を行うことはもちろん良いことです。創造活動によって得られたものを維持する活動もまたそうです。維持すべき時期を過ぎたものを破壊する活動が必要となる時もあるでしょう。
でも、人の意志ではなく ※ 自然の法則にゆだねるべき破壊については、人が自らの意志により選択すべきではありません。
あくまで自然の法則に則った流れの一環として、破壊に至るべきものなのです。
ヒマラヤハウス® の『 空間ヒーリング® 』コーディネートでも、 黒 はなるべく使用しません。
黒 は可能な限り避けて、創造的に活きていきましょう!
では、極力避けるべき色、 黒 は 悪 なのでしょうか?
色のイメージを捉えてみましょう。 黒 の対極にある色、 白 はどうでしょう... 天使、創造、拡がり、結婚がイメージされます。 黒 はどうでしょう...
悪魔、破壊、閉まる、葬式がイメージされます。
白 からイメージされることも、 黒 からイメージされることも、ともに自然の法則として必要なことなのです。
つまり、黒 は破壊であって 悪 ではないことになります。
ただし、普通、人は 黒 に呑まれ、 悪 につながりかねないことには、注意が必要です。